『三社祭』という作品は、父、木原信敏がコンピューター・グラフィックス(CG)で作成した作品です。
趣味としてのCG作品
「コンピューター・グラフィックスで作成した」と書きましたが、この作品が作られた当時(1992年)は手軽に描ける画像ソフトなどが存在するわけもなく、C言語による”レイトレーシング”という手法で作成されたようです。
(→ レイトレーシングについて詳しくはWikipediaをご覧ください。)
初めは丸形や幾何学模様の作品が多かったのですが、次第に複雑になり、何故か日本の風景を描いた作品が多くなっていきました。
ちなみに、さらに年が進み、1998年のソニー木原研究所10周年記念商品や2001年のソニーの情報誌「Family」の表紙には、立体視の作品が増えていきます。
私は、父が自宅で三社祭の絵を制作していたのは覚えていたのですが、てっきり三社祭の様子を撮影し、その写真を見ながらそっくりに描いたものかと思いこんでいました。
今回、あらためて関連記事(『経済界』1996年11月19日号)を読み直したところ、お神輿が担がれているところをスケッチして、それをCGにしたものだとわかりました。
デザインや構図や色は父自身で考え、人の顔などは新聞や雑誌に載っている顔写真を拝借したものだそうです。
こういった写真のような絵を計算式で作るというのも想像つかないのですが、構図まで想像で描いたものだったとは驚きました。